腰痛・坐骨神経痛の漢方治療(1)
腰痛・坐骨神経痛に関しての情報と漢方治療に対するからさわ薬局の考え方や取り組みなどを紹介していきます。
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腰痛に対する漢方の効果を知った日
初めて漢方が腰痛に効く!と実感したのは自分のぎっくり腰でした。
30歳になったばかりのある朝、目が覚めて起き上がろうとすると激しい腰痛。起き上がるのに精一杯で、顔を洗おうと腰をかがめると激痛が走り、靴下をはくにも一苦労。
その日は休日でしたが、早くなんとかしようと薬局に行き、自分の腰部を糸練功でチェック。麻黄・蒼朮・石膏を主とした薬方が適すると見られ、急ぎ服用して安静にして様子を見ました。
すると、30分も経たないうちに痛みが軽減し、驚いたのです。
翌日には痛みはなくなり、腰を曲げると軽く違和感がある程度でした。その後、数日で違和感も消え、腰痛のことを忘れました。
7日後にゴルフに行きましたが、まったく腰も痛むことがなく、腰痛の漢方にもっと取り組もうかなと思いはじめました。
それから、腰痛の患者さんから相談をいただくごとに、様々な経験をし、慢性の坐骨神経痛、骨粗鬆性の腰痛、苦労した例もたくさんありますが、思ったよりも多くの腰痛が漢方治療できることを本で読んだ知識ではなく、体験として身につけて行きました。
次は、腰痛の原因となる様々な病気と漢方治療の範囲についてです。
腰痛の原因と漢方治療の範囲
腰痛、腰痛症は病名ではなく、腰が痛むという症状の呼び方です。
実は腰痛を引き起こす病気には色々あります。
1.先天性のもの。生まれつきの脊椎変形など。
2.腫瘍(しゅよう)によるもの。良性腫瘍、悪性腫瘍、両方があります。
3.外傷によるもの。
a.腰部の捻挫、いわゆる「ぎっくり腰」。
b.骨折(圧迫骨折、脱臼骨折)
c.脊椎分離症(疲労骨折)、脊椎すべり症
4.骨の代謝の異常によるもの。特に骨粗鬆症など。
5.感染症によるもの。結核性脊髄炎、化膿性脊髄炎など。
6.変形疾患とよばれるもの。加齢現象。
代表的なのは、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
7.姿勢によるもの、生活環境によるもの。
8.腰の骨(腰椎)や周辺の筋肉ではなく、他の臓器の異常によるもの。
9.心因性によるもの。
大まかに分けてもこれだけの原因がありますので、腰痛が続く場合は自己判断ではなく、必ず医師の診察を受けられることをお勧めします。
上の分類の中で、からさわ薬局で取り組んでいるのは、次のものです。
3.外傷によるもの。
a.腰部の捻挫、いわゆる「ぎっくり腰」。
b.骨折(圧迫骨折、脱臼骨折)
c.脊椎分離症(疲労骨折)、脊椎すべり症
4.骨の代謝の異常によるもの。特に骨粗鬆症など。
6.変形疾患とよばれるもの。加齢現象。
代表的なのは、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
もちろん全てを治せるわけではありませんが、治療経験から漢方でも可能性があるのはこれらが中心になります。
漢方相談の前に、必ず医師の診断を受け、ご自身の腰痛の原因と状態を把握しておくことが最重要です。診断名のほかに、腰椎の何番目に異常があるのか、どんな状態なのか、正確に知っておくことが大事です。
もう一つ漢方治療の可能性がある腰痛があります。
9.心因性によるもの。
心因性の腰痛も、自律神経症状、心の痛みに取り組むからさわ薬局ではご相談の対象と考えています。
その他、腰痛の「放っておけない」度合いがあります。
最も緊急性を要するものは、運動麻痺(まひ)、直腸麻痺、膀胱麻痺を伴うものです。
ヘルニアが原因のものもあれば、腫瘍や脊椎骨髄炎などが原因の場合もありますので、早急に病院を受診してください。
その(2)では、腰椎の構造などについて知っておきたいことをまとめています。