医療気功の糸練功について
からさわ薬局では、患者さんの病態をより正確に把握するために、漢方の基礎的な問診・望診・聞診の他に、医療気功の糸練功(しれんこう)を使って経絡の気の流れを調べて判断していきます。
糸練功を駆使し、患者さんの身体の経気の異常を調べることで、今までの漢方治療ではなかなか改善の難しかったご病気に対してもよりよい成果が出るようになってきました。
糸練功は、私の漢方と気功の師匠である九州の太陽堂漢薬局、木下順一朗先生が入江式FT(フィンガーテスト)と中国上海式気功とを合わせ開発されました。望診・聞診・問診の三診に糸練功を組み合わせることで、より確率の高い漢方を選択していきます。
入江式フィンガーテストを開発された故・入江正先生は、「東洋医学は体表解剖学だ」と言われました。
身体の表面に現れた情報を解析し、治療方法を開発して行ったのが東洋医学。みなさんにもなじみのある「ツボ」もそのひとつです。
糸練功を用いて、患者さんの身体に流れている「経気の異常」を調べていきます。
経気の異常がどのような状態であるか、一人ひとりの患者さんの状態を細かく解析し、その結果を元に、経気の流れを正常にするために必要な漢方薬をあわせて行きます。
問診内容や糸練功で得られた情報などを総合し、糸練功を用いてメインとなる漢方薬方を決定します。更にその患者さんごとの個性となる治療の過不足を検討し、より効果的な方法を探ります。
糸練功に関しては、「漢方の臨床」57巻12号(2010)P117−121 『入江FTを漢方へ糸練功の開発』(福岡市・太陽堂漢薬局 木下順一朗)として東亜医学協会において発表されておりますので、研究者の方はご参照ください。
入江式フィンガーテスト(入江FT)に関しては、「臨床東洋医学原論」(入江正・著平成2年発行)、「漢方治療原論」(入江正・著 平成7年)、その他「漢方の臨床」誌上に発表された入江先生の論文をご参照下さい。
この他、東洋医学的に実験手技を取り入れて様々な研究をしたのは外科医で鍼灸も漢方も天才的な才能があった間中善雄先生の研究が私たちのルーツになります。間中善雄先生は京都帝国大学医学部を卒業し、のちに小田原で間中医院を開業し、東洋医学の普及と研究に多くの功績を残しています。間中善雄先生の著書も参考にしてください。
糸練功は問診や望診と同じく漢方医学の証(漢方的なものさしでの体質、どの治療法・どの漢方薬が合うのか)を決めるための技術です。病気の診断とは異なります。病気の診断は医師の診断を受けてください。
西洋医学の診断内容も漢方を考える上で重要な情報となります。
慢性的なご病気は必ず病院での診断を受け、現在の状態を把握された上で、漢方のご相談に来られることをお勧めします。
漢方相談の流れは、ご予約方法とあわせてこちらにご紹介しております。
「気功?なにそれ…?あやしい…」
そう思うのが普通です。
私も最初は不思議でしたが、今ではからさわ薬局の患者さんにもあたりまえのこと。
基本的には理論で考えています。その理論的に考えた候補のどれをつかうのが最も良いか?どんな工夫をしたらより良くなりそうか?といったことを気功でチェックしています。