ひざの痛み(変形性膝関節症など)と漢方(2)
からさわ薬局にご相談の多い、ひざの痛みの漢方治療例をご紹介します。
あきらめずに取り組んでいただいたお客様に感謝してご紹介させて頂きます。
慢性のひざの痛み
60代の女性。変形性膝関節症。
歩行時、特に階段、立ち上がる時に左ひざに痛みがあるとのこと。
ご家族の介護で忙しくしていたら、この1ヶ月ほどで痛みが増してきたそうです。
患部の左膝を糸練功で調べると、防已黄耆湯合桂枝加苓朮附湯証とみられました。
附子剤(桂枝加苓朮附湯)による身体の負担をさけるため代用方を検討し、修復機能を助けるものと、代謝を活発にする補助を組み合わせ、糸練功で方意を確認してお勧めしました。
1ヶ月後、激しい痛みはなかったとのこと。この何日かはほとんど痛みがないそうです。
階段もゆっくり降りる分には不安がない。糸練功でチェックすると、初回の勢いは少しやわらいでいる様子でした。
介護などでお忙しいようでしたが、とにかく無理をしないようにお願いしました。
その後、経過は順調。
約5ヶ月後には日常生活で痛みを感じることがなくなり、6ヶ月目に最後の漢方をお出しして経過を見ていただくことにしました。
年齢的にも再発の可能性はあります。加齢は止められません。
この患者さんは無理をしないように気をつけていただいたので、改善が早かった例です。
急性のひざの痛み
50代の女性。元々のご相談は別のご病気でしたが、このところ歩くと右の膝が痛むとのこと。
整形外科を受診した結果、軟骨の減少が明らかであり、加齢性ではないかとのこと。
痛む右膝を糸練功でチェックすると、比較的急性で陽証とみられる反応が強く確認できました。
糸練功で適方を調べ、漢方薬一種類を元々のご病気に対する漢方薬と時間をずらして飲んでいただくようにお勧めしました。
1週間後、右膝は前ほど痛まないとのこと。糸練功で確認すると、前回調べた陽証の関節の反応は勢いがだいぶ取れてきたようでした。引き続き、同じ漢方をお勧めしました。
さらに1週間後は、階段を降りるときにたまにチクっと痛みがあるが、歩行時はほとんど気にならない。再度確認をしてみると、かなり膝の陽証の反応が弱くなっていました。同じ漢方で経過を見ていただくことに。
次の1週間後には、まったく痛みがない日が続いているとのことでした。
糸練功でチェックするとまだ反応はみられましたが、元々のご相談のご病気をメインに、膝の方は念のために同じ漢方を痛みがあったときに併用するようにお願いしました。
1週間後はまったく痛みが出ていませんでしたので、手持ちのお薬で痛みがあったらすぐに対応して頂くようにお願いしました。
それ以後は、しばらくして痛みが出ることもありましたが、ほぼ最初にお出しした漢方薬をすぐに併用することで痛みを忘れるので日常生活には支障がないとのことでした。
整形外科での診断をうかがって、もう少し厳しいかなと思いましたが、東洋医学的には思ったより深くなかったため、非常に経過が良かった事例です。また痛みがおさまってから、関節に負担をかけずに筋力をつけられたのも良い材料だったと思われます。
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