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漢方の症例

膝関節症・股関節症・骨折

変形性膝関節症などの軟骨組織と骨の再生不良に関係する疾患に対して漢方治療で一定の成績が認められるようになってきたので紹介します。

変形性膝関節症の患部を糸練功で調べると、防已黄耆湯関連の証がみられることが圧倒的に多い。※防已黄耆湯単独の証は少ない。

ある60代の女性は、起立時、歩行時、階段の昇り降りにおいて顕著な痛みを訴えられた。痛む膝関節を糸練功で調べると胃の腑、陽証に防已黄耆湯加麻黄証がみられる。
防已黄耆湯に発散の方意があるR青皮製剤を兼用したが改善が遅い。その後方意を再検討して、V接骨木葉製剤+代謝改善補助として、滋養強壮効果のある製剤を組み合わせて代用方を組んだところ、それ以後顕著な痛みの減少が始まり、正座は出来ないが日常で強い痛みを感じることがなくなってきた。
少し無理をしたと思われる後には患部と手掌での反応が強くなるが、安静にして回復を促すと反応もだんだん小さくなって来て、以後は順調な様子である。

この患者さんが使用した漢方1ヵ月分の価格 (参考)
V接骨木葉製剤 12,000円 滋養強壮の製剤 4,367円、各税別)
(同じご病気でも、状態や体質によって漢方は変わります)

その後、変形性股関節症で慢性的な痛みを訴える患者さんの相談を受けた。
患部を糸練功にてチェックしてみると、膝関節症にみられた証とほぼ同じタイプとみられる。
現在数例の患者さんで経過を調べているが、来店時は伸ばすことが出来なかった足が伸び、激しい痛みは消失。糸練功でチェックしている限りでは順調に推移している。

この方意が骨再生と何らかの関連があるのではと思っていたところ、次のような相談を受けた。
骨折後に外科的処置をしたが、支えていたプレートが離れてきて骨が着かないという女性。

患部を糸練功で調べると防已黄耆湯関連の証を呈している。煎じ薬から始めたが、服用が大変なせいもあり、なかなか効果がみられない。
糸練功でチェックすると、膝関節の患者さんに用いたのと同じ代用方でもいける感じがする。
代用方に変更したところ痛みが軽減。安静第一をお願いする。翌月のレントゲン検査で骨芽細胞の発生が確認され、担当の医師も驚かれたという。
その後継続治療し糸練功で順調な様子を確認していたところ、ついに骨が着いたとの連絡を受けた。

人間の身体は常に新陳代謝を繰り返しています。
皮膚は4週間、血液が3~4ヶ月、骨はいちばん遅くて2年半程度と言われます。
ゆっくりと骨が再生しているのは間違いないのですが、再生する力に対して加わる負荷が強いと治っていかないと思います。
治していく時期は日常生活での負荷に充分に注意をしましょう。かなり良くなってから、再発防止に運動の養生が必要になると思われます。
からさわ薬局では、コンドロイチンは発売された当初から(もう何十年も前です)扱っています。
コンドロイチンやグルコサミンは確かに良いですが、それだけでは不十分な場合があり、漢方の考えを応用することでより効果的になることがあります。

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